小千谷縮は麻ならではのサラサラ感と清涼感

小千谷縮は麻ならではのサラサラ感と清涼感

小千谷縮は麻ならではの清涼感

小千谷縮は麻ならではの清涼感

着物ちゃん

見た目が爽やかで夏にピッタリの着物ですね!

この小千谷縮は、着物の産地で有名な新潟で作られている夏用の着物になります。

今回はそんな小千谷縮の魅力について紹介していきます!

管理人

小千谷縮は麻ならではのサラサラ感と清涼感

小千谷縮は、新潟で作られていますが、それ以外にも越後上布や塩沢紬、十日町絣といった有名な着物が作られています。新潟の着物は、その多くが白い糸を染めてから織りあげる織り着物になります。

小千谷縮や越後上布は夏の着物になります。雪国の新潟ではありますが、新潟は昔から越後麻布と呼ばれる上質な麻布が織られていました

昔は、山に自生する山苧(やまそ)という麻を原料としていましたが、越後麻布が有名になるにつれて、原料を畑で栽培するようになりました。これを青苧と呼んでいます。当時の麻布は白無地の丈夫な布でした。この麻布を一年を通して着られていました。この麻布を発展させたのが小千谷縮になります。

江戸時代の中頃、小千谷に住んでいた明石次郎が白い麻布を縮ませることに成功したのが始まりといわれています。そもそも縮の技法は、緯糸に強い撚りをかけて固定します。それを織り上げてからぬるま湯を使い手もみをして糊を落とします。そうすることで撚りが戻り布が縮むことになるわけです。

明石次郎が考案した小千谷縮はあっという間に全国に知られていきました。越後麻布は、夏向けの高級な小千谷縮として変わりました。夏向けということもあり、シボをつけて、サラサラとした麻の感触が高まり、汗をかいたとしても肌につかないので快適に過ごせます。蒸し暑い日本の夏に最適な素材です。

小千谷縮の作業は全て人の手で

小千谷縮の作業は全て人の手で

小千谷縮は製品によって工程が異なってきます。昔ながらのこの工程は、重要無形文化財に指定されています。出来上がるまでの工程として大きく分けて4つあります。①糸作り、②染め・絣作り、③機巻き・織り、④仕上げになります。

糸作りの苧積みの工程は、青苧をぬるま湯につけておき柔らかくして水気を切ります。これを口にくわえて爪や指先を使いながら髪の毛くらいの細さにさいていきます。このさいた糸を唾液で湿らせながら指先で繋いでいきます。

細かい作業になり、細かいところと細かいところを撚り合わせるようにして繋げます。青苧は乾燥に弱く湿気のない夏場は、糸が切れてしまいます。ですので、苧積みは冬の寒い時期におこなわれます。

積んだ糸に撚りをかけていき、絣括り、染色といった工程を経て、織っていきます。織機に経糸をかけて、緯糸を通していき、1本通すごとに絣を合わせて模様を織りだします。

苧積み

原料の青苧をさいて糸を作ります。小千谷縮や越後上布の原料は、イラクサ科の多年草である苧麻の靭皮からとったものが青苧として使われます。刈り取った茎の青皮をはいでいきますと美しい靭皮が残ります。

経糸を強くするために繋ぐときに糸をくぐらせてから結びます。1反分の糸としては、700〜800gが必要になります。この作業は、3ヵ月以上を要しますので、とにかく時間がかかります。また、手や口を使いますので、ハンドクリームや口紅を付けることができません。

織り

絣を合わせながら居座機で織ります。素朴な絣模様は、小千谷縮の魅力のひとつになります。重要無形文化財の本製小千谷縮は手でくびり、それ以外は、摺込捺染が一般的になります。

この本製小千谷縮は、最も原始的な織機である居座機を使って織られています。複雑な模様になりますと、1日に15cmしか進まないこともあります。また、織るときの湿度も重要になってきまして、雪に覆われた冬が最適になります。

小千谷縮の生地を白くする

小千谷縮の生地を白くする

織り上がった布は、仕上げに加工していきます。まずは、湯もみになります。湯もみをする前の生地は糊がついていますので、パリパリとした質感になります。これをお湯の中でもんでいくことで柔らかくなっていきます。木製の水槽にぬるま湯を入れていきます。

この木製の水槽を舟と呼んでいます。この舟に反物を入れて、両手で押すようにしながらもんでいくと糊が溶けてシボがでてきます。糊がとれましたら、水気を切って乾かします。

最終工程になるのが、雪晒しになります。太陽に当てるために反物を雪の上に広げて、一週間前後に日数をかけます。なぜ雪の上に晒すのかといいますと、雪の上ではオゾンが発生しており、このオゾンが漂白や殺菌するので反物が雪のように白くなり丈夫になります。また、絣の色も落ち着かせることができます。この雪晒しは、江戸時代からおこなわれており、今でも引き継がれています。

年月がたち汚れたり色が褪せたりした小千谷縮は、再び雪に晒すことで綺麗にそして鮮やかに甦るのです。これを小千谷縮の里帰りと呼ぶそうです。雪が降る新潟ならではの工程です。

湯もみ

お湯の中で反物をもんでシボをだしていきます。江戸時代の湯もみは、舟の中で足踏みをすることでシボをだしていました。長い反物を3回ほど両手でもんだあとに、手でこするようにして刺激を与えていきます。シボの状態を確認しながら、丁寧にそして手早くおこないます。

雪晒し

雪の上に反物を広げて太陽にあてます。昔の小千谷縮は、ほとんどが藍色の地色になります。絣模様を白く染め抜いて、藍で染めたものになります。この雪晒しは、毎年3月の晴天を選びおこなわれています。広々とした畑に積もった雪の上に何十枚もの反物を干していきます。この光景は、新潟に春の訪れを知らせる風物詩だといわれています。