十三参りと成人式の着物について

十三参りと成人式の着物について

十三参り

13歳という年齢は、男女ともに一人前になる年齢とみなされてきました。そのため京都や大阪では、数えで13歳の男女は、虚空蔵菩薩に福徳と知恵を授かるように祈願する十三参りが盛んにおこなわれるようになりました。時代で言いますと、江戸時代中期頃になります。

関西方面を中心におこなわれてきた十三参りですが、今では入学試験の合格祈願も兼ねて、全国的におこなわれる傾向にあります。また十三参り当日に、生涯使う数珠を買ってもらい、境内で十三種類のお菓子を求めてお供えします。それを自宅に持ち帰って家族で食べる習慣があります。

十三参りの着物は、可愛い模様の大人の付下げを大人と同じ本裁ちに仕立てて、肩揚げをして着させます。袖丈は、できるだけ長めにとるようにして娘らしく華やかになるようにしましょう。柄は祝い柄に、王朝風な雅な柄ゆきや花柄を選ぶようにしましょう。帯は、続き柄の名古屋帯で仕立てますと、締めやすい祝い帯になります。帯揚げや帯締めは、若々しく娘らしくそして、明るいイメージのなる色を使うとよいでしょう。

母の装いは

子供の成長を祈るお参りの主役は、当然子供になります。その基本を忘れなければ、母も美しく品よく装うことは、とても大切です。昔は、初宮参りには、赤ちゃんを抱く祖母が式服である黒留袖を着ていました。あらたまった装いで神社に参拝するのです。着物を着ることそのものが、よそゆきになっている今では、黒留袖を着なくてもフォーマル感としては備わっています。家の事情にもよりますが、祖母も母親も訪問着や付下げ、色無地でお参りするのをおすすめします。

新たに誂えるのであれば、四季の花柄であったり宝尽くしなどがおすすめになります。帯は、格のある袋帯がおめでたい席に向いています。

※京都では、昔からの習いで、宮参りと七五三の祖母は、式服である黒留袖か訪問着を着ることになります。母親は、訪問着が一般的になります。

成人式

成人を祝う習慣は、奈良時代からあります。成人を示す通過儀礼としての成人式は、冠婚葬祭の「冠」にあたります。そのときの着物は、礼装である振袖を着ることになります。その成人式は、大人として社会的に認知される式典です。未来に羽ばたく新成人の装いになりますが、最近では、白くふわふわした羽毛のショールばかりが目立ってしまいます。せっかく振袖を誂えるのでしたら、上質な着物に袖を通す贅沢を味わって欲しいところです。

成人式の装いである振袖は、洋服感覚、正統派、クラシカルの3種類に分類されます。それに伴い、厳かな古典模様から洋花を多用して華やかさを出したもの、ドレス感覚のモダンなものまで、色柄も豊富に揃うようになりました。未婚女性の最も豪華な絵羽模様の着物が振袖になります。格としては、最高の礼装になります。そして、長い袖は、他の着物になり存在感を示しています。ですから、柄も付下げのように細かいものよりも、存在感のあるものを選びましょう。江戸時代の小袖柄や御所解き模様といった伝統的なものや牡丹や菊といった色とりどりの花を配した百花柄で華やかに装うことをおすすめします。別の提案としては、多色づかいの振袖が多い現代では、あえて3色ぐらいで抑えた振袖は都会的に映るかと思われます。また、御所解き模様を白地に京好みのはんなりとした色で表現した伝統的な晴れ着も大変美しく映えるかと思われます。そして、素足に草履やカジュアルな帯合わせなどでない限り、今は振袖を自由なお洒落として楽しむ傾向にあります。

ですから、両親や祖父母など振袖について意見が食い違うこともあるそうです。そうならないよう、成人式の準備段階でどんな衣装にするか話し合いをもつといいでしょう。

成人式後は、友人や親族の結婚式や結納といった様々な場面にて振袖は活躍するかと思います。また、結婚後も色柄によっては帯や小物を替えて洋装の感覚で装うこともできます。

卒業式の袴スタイル

卒業式の袴スタイルも最近ではレンタルが主流になりつつあります。ですが、セレモニーとして考えるのであれば、後々も着られる自分らしい着物を用意するのもよいでしょう。

華美に走らずに、フォーマルでもある色無地や友禅小紋で袖を1尺6寸ぐらい(約61cm)の長めに仕立てて、お洒落にまとめてみる装いは新鮮に映るかと思われます。色無地のときは、家紋か花紋を刺繍や友禅で入れて、ポイントとして女子らしさを演出するとよいでしょう。

着物は?

紋付きの色無地や暈し、小紋(友禅着尺)を選ぶとよいでしょう。自分好みのお洒落感を出したいときには、上質の小紋を選ぶことをおすすめします。

袴下帯は?

袴には普通の八寸幅の帯ではなく、幅の狭い半端帯を使うようにしましょう。後ろの結び目の上に、袴の後ろの腰板が乗るように着付けをします。

袴は?

女性は襠(まち)のない行灯袴をはきましょう。女袴は明治時代の中頃に流行して、それから一時衰退しました。最近は、大学の卒業式の装いとして定着しました。