着物の保管中によくあるトラブルを紹介します。
着る機会が少ない着物ほど、トラブルに見舞われていざという時に対応が取れないものです。そうならないために保管中にどういったことが起こるのか、事前に原因とその予防策を知っておきましょう。
シミ
原因
汚れを発見できないまま、落としきれない状態で保管したことで起こることがあります。
予防策
保管する前に、皮脂汚れが付きやすい場所(衿周り、袖口)や汚れやすい場所をしっかりチェックします。
黄変
原因
汚れや防虫剤、蒸れ、たばこの煙、生地の加工剤など、様々な理由で変色しやすくなります。特に裏地は注意が必要となります。
予防策
空気の入れ替えや防湿剤をこまめに変えることで予防することができます。
色焼け
原因
黄変と同様に様々な理由で変色します。特に色の濃い着物(紫色)は色焼けがしやすいので注意が必要となります。
予防策
空気の入れ替えや防湿剤をこまめに変えることで予防することができます。
カビ
原因
箪笥の中に湿気があると、着物や帯の生地についてる糊からカビが発生します。
予防策
カビが発生した同じ環境だと、洗っても再びカビが生える可能性があります。保管場所を変えたり、こまめに着物をだして風通しをします。
虫食い
原因
衣類を食べる虫によるものです。特にウールの着物は注意が必要となります。
予防策
ウール素材の着物は、絹の着物とは一緒にせず、防虫剤を入れて保管します。また、古いたとう紙を使っている場合は、たまに交換するようにしましょう。
たとう紙
着物にたとう紙に入れてかなければと思っている人がいるかと思います。たとう紙は湿気を吸ってくれる便利なものですが、替え時を間違うと大変なことになります。たとう紙はもって2年なんです。2年くらいたつと紙がふにゃふにゃに柔らかくなって、黄色い斑点が出てきます。そうなったら替え時です。その、たとう紙は湿気から守るために水分を吸収しているわけで、その状態のままで着物を包みますと、カビやシミの原因になります。
その他
- タンスや収納ケースは、乾燥していて温度が安定している場所が最適です。
- 機密性が高く冷暖房を繰り返す部屋は、湿気が派生するのでトラブルの原因になります。
- タンスは壁から少し離して置きます。
- 防湿剤、防虫剤は2種類以上の混用を避けましょう。