不祝儀における悩み相談

不祝儀における悩み相談

不祝儀におけるよくある悩みを紹介します。

Q.故人とは親しい仲でした。葬式に黒喪服を着て参列してもいいのでしょうか?

遺族以外の黒喪服は、誤解されることもあります。いくら親しい仲であったとしても、親族以外が葬式に黒喪服を着るのは避けましょう。とくに異性の場合、周囲に誤解を招くことになりかねません。
結婚式にて親族だけが黒留袖を着るのと同じように、弔問客は遺族よりも格上になる装いをしません。喪服を着る場合には、黒喪服ではなく、色喪服を着ましょう。そして、通夜ではなく、葬式や告別式にて装うようにしましょう。

Q.弔事にも着られそうな色無地ですが、紋はついていません。

色喪服は一つ紋、または三つ紋付きにするのが正式になります。一つ紋か三つ紋を付けて喪の準礼装にします。紋は染め抜き日向五つ紋以外にも、刺繍で表現した縫い紋や紋の輪郭を白く染め抜いたり縫ったりする陰紋も用いることができます。ただし、華やかな色づかいの加賀紋や遊びの要素のある洒落紋を喪服に付けることはできません。

Q.弔事の装いにふさわしいモチーフは何になりますか?

菱や華文、雲・霞・蓮・経典の文字といった文様は、弔事に合います。とくに色喪帯や色喪服の地紋にはこれらの文様が多く用いられています。当然ですが、弔事用の文様やモチーフは慶事に使うことができません。

Q.喪服に帯留めをつけてもよいのでしょうか?

シルバーやパールといった帯留めであれば、喪服につけることができます。銀細工やパールの帯留めを用いることができます。ただし、これらの素材だとしても、瓢箪といったおめでたいことをあらわすモチーフは弔事に用いることはできません。また、帯留めを選ぶ際には、こぶりなサイズがよいでしょう。

Q.喪の帯結びは一重太鼓でしょうか?

丸帯しかなかった時代は、帯結びは二重太鼓でした。かつて丸帯しかなかった時代は、慶事も弔事も二重太鼓が正式な結びでした。ですから、二重太鼓に結んだとしても問題はありませんが、今では「喪が重なる」といって避ける傾向にあります。ですので、一重太鼓に結ぶのが慣例になっており、袋帯でも名古屋帯でも一重太鼓に結びます。

Q.喪のバックや草履に決まりごとはありますか?

光る素材は避けましょう。黒喪服に黒喪帯を合わせる場合は、草履は黒の布地またはつや消しの黒革を履きましょう。バックは革を避けて、つや消しの布製を持ちましょう。考え方は洋装と同じで、光沢のあるものは避けて、殺生を連想させる爬虫類などの革製は選ばないことです。
色喪服であれば、草履とバックの色は黒でなくてもかまいません。着物に合うもので、光沢のない地味な色を選びましょう。とくに草履で気をつけたいポイントが履物を脱ぐ会場です。台に柄や色が入っているものを選んでしまうと大変なことになります。ですので、不祝儀用に専用のものを用意しておきましょう。

Q.黒やそれに近い色の帯でしたら、喪服に締めることができますか?

金糸銀糸、色を使っていない帯でしたら問題ありません。黒や地味な色でしたら、すべてが喪帯に適しているわけではありません。金銀づかいのもやめでたさを連想させるモチーフは弔事の喪帯にはつかえません。

  • 経典の文字や雲、霞、蓮などは弔事用
  • 夢や偲、無といった文字は、色喪帯によく使われています。そのほか雲や霞、蓮など弔事に使える文様になります。金銀を使ったものは慶事用になります。

  • おめでたい文様や金糸づかいは慶事用
  • 寿や結といったおめでたい意味の文字柄や吉祥文様は慶事用の帯になります。また金銀を使ってある帯も慶事用になりますので、不祝儀には適していません。