夏直前に着る着物は(5月から6月)

夏直前に着る着物は(5月から6月)

5月から6月にあう着物

5月から6月は結婚式のシーズンでもありますので、セミフォーマルの着物が活躍します。結婚式の装いの基本となるのは、上品で格を備えたものになります。例えば、熨斗や鶴、亀、松、宝尽くしといった吉祥文様を着物や帯に取り入れることで祝いの意味を表現しています。また、百花や四季草花といった模様や王朝文様といったものもふさわしい柄ゆきになります。

これに初夏という季節が関係してきますと、事情は少し変わってきます。涼やかに見えることがポイントになります。済んだライトブルーや鶸色(ひわいろ)のような透明感のある爽やかな色による演出で、撫子や百合といった季節の植物や水辺の風物、波や流水といった水に関連する柄を取り入れてもお洒落に見えます。合わせる帯締めや帯揚げといった小物でフォーマルなイメージのしろを入れますと装いに清涼感を加えることができます。

訪問着

5月や6月は、まだ夏本番ではありません。春単衣では透けすぎない着物を用意する必要があります。とくに結婚式やお茶会といったお呼ばれに着る訪問着は、縮緬系統のしっかりとした素材を選ぶようにしましょう。袷用の生地に裏をつけずに単衣仕立てにしてもらうとよいでしょう。ただし、居敷当てをつけましょう。

結婚式の着物には、吉祥文様を用いることをおすすめしますが、5月から9月はそれよりも見た目の涼やかさを重んじる日本人の美意識を大事にしましょう。着物が季節の柄ですと帯には金や白を使ったすっきりとした有職文でフォーマル感を演出するようにしましょう。

付下げ

5月や6月はまだまだ夏ではありませんので、訪問着と同じく、着物の素材は紋意匠縮緬や紋綸子といった縮緬系を用いましょう。柄は吉祥文や動き奥行きのある構図の花柄が軽やかに見えます。

着物は身体を覆うスペースが多いので、着物の地色選びに気を使いましょう。めでたい場面だとしても落ち着いた印象に装いたいときには、艶やかな色青いよりかは、地色にグレーを選ぶと都会的な雰囲気を演出することができます。グレーも透明感のあるものを選ぶとよいでしょう。チャコールグレーなら引き締まった印象を与えることもできます。柄の挿し色も深みのある色合いでまとめますと、上質なお洒落に仕上げることができます。