琉球絣

琉球絣

琉球絣

絣の伝統柄を現代感覚で表わしています。

琉球絣が織られているのは、沖縄本島の南部の那覇市内から車で15分くらいにある南風原町になります。この地域だけで沖縄の絣生産量の90%以上を占めています。

この絣の技法は、もともとインドが始まりで、東南アジア各地に広まりました。14・15世紀頃の交易によって沖縄にもたらされたという説が有力ですが、どのようにして入ってきたのかは不明だそうです。琉球王朝の時代は、日本はもちろん、中国や朝鮮、東南アジアといった国々と盛んに交易がありました。そのため、様々なものが沖縄にはいってきましたが、その中のひとつとして、絣が入ったと考えられています。この絣は、日本や中国の影響を受けながらも沖縄独特の絣として作られていました。魅力としては、独創的な絣の模様になります。模様としては、約600種あるそうです。

琉球王朝の頃から伝わっている図案集があり、見絵図帳と呼ばれています。この見絵図帳をもとに職人がアレンジをしてオリジナルとして作り出しています。そのために、似ているようで似ていない、全てがオリジナルになるので同じという色柄はありません。モチーフは、植物や鳥、波、水といった沖縄の自然や生活道具から生まれていきます。親しみやすいモチーフだからこそ、出来上がる着物や帯に親近感をわくのはこういうことなのかもしれません。

美しい絣模様のために下準備に時間をかけていきます。

図案をもとに糸を括り、染めたうえで織っていくという手順で琉球絣が出来上がっていきます。この手順の中に、細かい工程が約16もあり、一反を織り上げるには約1ヵ月ほどかかります。それぞれの工程は、専門の職人が分業で担当し、絣括りや染めといった力作業は男性が、整経や降りといった作業は女性がおこないます。

糊付けは、整経した経糸に糊を付けていき、絣がずれないように糸を糊で固めています。長い糸に糊を付けるために、広い場所が必要になります。

糊付け

絣がずれないように糸を糊で固めていきます。何度も往復しながら糸に糊を付けていきます。絣を織り出すために欠かせない大切な工程です。

絣を括るのは男性の仕事になります。

糊付けして伸ばした経糸は、絣括りの職人のもとに渡します。図案を見ながら、絣の種類ごとに経糸を揃えていき、模様の部分を一箇所ずつ手によって括っていきます。この作業を手結と呼びます。木綿糸を20本束ねて結ぶことになり、かなりの力が必要になってきます。

絣括り

模様になる部分を木綿糸で括ります。絣の模様になる部分を1つずつ手で括っていく作業になります。しっかりと括らないと、染料が染み込まずにきれいな絣模様になりません。

紺色は琉球藍で染めていきます。

絣括りのあとに、糊を落としてから染めていきます。琉球絣は華やかで様々な色がありますが、基本となるのは藍色になります。この色の原料としては、沖縄本島北部で栽培されている琉球藍を使います。土に埋め込まれた藍甕に糸を入れて、最低10回以上は染め重ねをして、色に深みをだしていきます。この他にも、植物のほとんどが染料になります。茶色は芭蕉の葉、緑はサトウキビの葉を使って色をだしていきます。

細かい織りの工程を経て美しい絣模様が仕上がります。

染めが終わりますと、再び糊付けをして貼り伸ばしていきます。糊落としと染色のときに乱れた糸を整えるためにあります。このあとに、絣の括り糸を解いていきますが、今度は絣の模様を固定するために三回目の糊付けを施していきます。

仕上がった糸を織手に渡します。そして、図案を見ながら経糸を筬に通して巻き取ります。この巻き取りは、琉球絣ならではの作業になります。

手織りされた反物は湯のしをして幅を整えます。整えて完成しますと、検品所に持っていき、検査を受けることになります。チェックポイントは多数あり、長さや幅、傷はもちろん織りの密度などが確認項目になっています。その検査に合格しますと、証紙が貼られ、商品として販売されることになります。

織り

昔ながらの木製の高機で織っていきます。絣糸と地糸を図案どおりに配置して、筬通しをして経糸の巻き取りをおこないます。櫛を使って糸を整えて、正確に巻き取っていきます。

巻き取られた経糸に糸をかけて、綜絖を作り出す綜絖がけは、南風原独特の技術になります。

高機を使って、緯糸を巻き取った杼(ひ)を投げながら織る手法は、昔のままです。絣模様を合わせながら織りますので、1日に2m程度のスピードになります。

検品

織り上がった反物をチェックします。検品は、琉球絣と南風原花織になり、どちらも検品に合格しますと証紙のシールが貼られます。