着物を着たとしてもメイクはいつもと変わらずという人も多いのではないでしょうか。装いに合ったメイクをすることで、着物姿のあなたがより素敵に魅せることができます。逆にいいますと、着物に合っていないメイクでは、その場で浮いてしまう可能性があるということです。
というわけで、着物を着たときは、普段のメイクではなく着物に合ったメイクをすることが大事になります。そこで今回は、着物に合ったメイクのポイントを紹介していきますので、メイクの参考にしてみてください。
目次
着物に似合うメイクとは
普段のメイクだと顔を立体的にメイクをしていくかと思います。洋服の場合はこういったメイクが合いますが、着物には実は、似合わないんです。立体感のない平面的なメイクが着物には似合います。
着物は、色彩や柄が艶やかだったりはっきりしていたりしますので、普段しているようなナチュラルメイクですと着物に負けてしまうのです。
着物メイクで抑えておきたい4つのポイント
着物メイクする際には、抑えておきたい4つポイントがあります。
ポイント1:下地作りは丁寧にしっかりと
まずは、ベースメイクですが、普段よりも白く透明感のあるようにしましょう。ただし、注意して欲しいことがあって、着物には白い肌が似合いますが、必要以上に白くしてしまいますと、かえって不自然になってしまいます。
ポイントとしては、きめ細かな肌質が出るようにきちんと仕上げることです。ですので、メイクをする前に化粧水でしっかりと保湿をして、その上で乳液を使い油分を補いましょう。
そして化粧下地で、赤みやくすみを消すようにしてしっかりと美白肌になるようにしましょう。また、リキッドファンデーションを丁寧に塗るようにして毛穴などをカバーして、コンシーラーを使ってシミやそばかすを隠しましょう。
きめ細かさを出すためパウダーを使って最後に仕上げをおこないます。顔の印象を左右しますので、下地作りは手間がかかりますが、丁寧にしっかりおこなうようにしましょう。
ポイント2:くっきりとはっきりした眉を心がける
白く透明感を出したベースメイクをしていますので、薄い眉を作ってしまいますと顔全体の印象がぼやけてしまいます。ポイントとしては、眉をくっきりとそしてはっきりと作るのがポイントになります。
着物に合うメイクとして眉の形は、なだらかな感じのアーチ型が基本とされています。眉山に角度をつけ過ぎてしまいますときつい印象になってしまいますので、ナチュラルなアーチを描くようにしましょう。
眉の太さには流行があるかと思いますが、細すぎる眉ですと一昔前のメイクのようになり古めかしい印象を与えてしまいますので、気持ち太めに仕上げるようにしましょう。太すぎず細すぎず、極端にしないことがポイントになります。
ポイント3:アクセントは目元と口元に置く
全体のバランスを良くするために、目元と口元にアクセントを置くのがポイントになります。
普段にするメイクは、目元をぱっちりと目を大きく見せるアイメイクが一般的だと思います。着物に合うメイクの場合は、切れ長になるように目元を意識してメイクしますと、凛とした印象が作れ着物に似合います。そのためにアイラインは黒で太さ3ミリ程度まで、目尻を若干長めに入れて、目元がはっきりするように仕上げましょう。
アイシャドウは、着物に合わせるように柄に使われている色から選ぶようにして、強調しすぎないように注意しましょう。年齢や着物を着るシチュエーションによっては、アイシャドウの色合いを調整しましょう。
また、口紅は色がはっきりしたものを選ぶようにして、着物のトーンに合わせた色を選ぶことが大切になります。
ポイント4:しっかりメイクをしてきちんと感を出す
普段のメイクがナチュラルメイクであまり厚塗りしないという人だとしても、普段よりしっかりとベースを作るようにして、くすみや赤み、シミ、そばかすなどをカバーするようにしましょう。白くて、透明感が溢れる肌に仕上げることが大切になります。
着る着物の色や柄がはっきりそして鮮やかな場合は、メイクが薄いとぼんやりした印象になってしまいます。そうなりますと着物と合いませんので注意しましょう。
着物に合うメイクは、しっかりとそして、きちんと感を出すのがポイントになります。
その他のポイント
- チークやシャドウは控えめに
- リップは唇の輪郭をはっきりと
普段のメイクですとチークやシャドウは、影をつけたり鼻を高く見せたり、頬にふくらみを出したりなど、顔を立体的に見せるために使われます。先程も述べましたが、着物に合うメイクは、立体的ではなく平面的がポイントです。ですので、チークやシャドウは、あまり重要ではありません。
ベースを白くしているので、いつものようにチークを入れてしまいますとると顔が幼く見えてしまいますので、控えめに入れるようにしましょう。
シャドウを入れる場合には、いろいろな色を使わないようにして、着物の柄から選ぶようにしましょう。目元に明るめの色を入れるようにして、濃い色を目の際にいれるようにすることで、切れ長の目を演出することができます。
着物メイクにおいて全体の雰囲気を決めることになるのがリップと言われています。赤みのある唇に口紅をのせてしまいますと、ベースメイクを普段より白めに仕上げているため口元がぼやけてしまいます。
これを防ぐために、まずは、ファンデーションで唇の色を消してから口紅をのせるのがポイントになります。そのあとに、リップペンシルを使い輪郭をくっきり描いていきます。肌と唇の境目をはっきりさせることで、凛とした印象を作ることができます。描く際は、唇に沿って輪郭をとるよりかは、やや唇の内側に小さめに縁取りをおこなうのがコツです。
リップの色ですが、鮮やかなものをしっかりとのせるのがポイントになりますが、シチュエーションによっては、真っ赤な口紅は派手すぎる印象になりがちですので、少し抑えたものを選ぶことをおすすめします。
動画で観る着物メイク
着物メイクですが、立体的ではなく平面的な顔に仕上げるのが大事と伝えてきました。そのうえで、白く透明感のある肌を作り上げるのがポイントです。動画で確認するのも分かりやすいと思いますので、参考にしてみてください。
年齢別の着物メイクのコツと注意点
白くて透明感のあるベースメイクに切れ長の目元、アーチ型の眉、くっきり鮮やかなリップが着物に合うメイクの基本になります。ですが、着物に合うメイクとはいっても、年齢が違ってきますと着物の柄や色、メイクなどが違ってきます。
年齢によってどのように異なってくるのか、年齢別のメイクのポイントを紹介します。
10代の着物メイク
10代は、肌のキメも細かく素肌がそもそも透明感のある人が多くいます。ですので、ファンデーションを塗りすぎてしまいますと、厚化粧になり老けた印象になってしまいます。ベースメイクを薄めに仕上げるのがポイントになります。
下地からパウダーまでのベースメイクは、基本よりも軽めにするようにして、目の下のクマやそばかすといったところをカバーするようにしましょう。
10代の特徴として、マスカラの厚塗りやつけまつげのボリュームアップなど、目元がこてこてになるアイメイクです。このこてこてメイクをしてしまうと、立体感が出てきますし、子供っぽい印象になってしまいます。
そうならないためにも、アイシャドウの色を控えめにして、アイライナーでしっかりと目の際を描くようにして、切れ長の目を印象づけましょう。華やかさをプラスしたいときは、赤みのやや強めなリップにすることでアクセントになり、大人な女性らしい印象づけになります。
20代の着物メイク
20代の着物メイクは、10代とほぼ同じようにすれば問題ありません。違う点としては大人っぽさを演出したいので、アイラインをややしっかり描くのがポイントになります。
20代は、可愛らしさを残しつつも、大人の女性の色気も出せ、その両方のバランスが上手く表現することができます。アイラインを引くときに目尻は上に跳ね上げないようにして、自然に流すようにすると自然なラインに仕上がります。
メイクとして明るめの色を使いたくなるかと思いますが、明るい色を使い過ぎると着物とのバランスが崩れてしまうので、なるべく色数を減らすようにして抑え気味にしましょう。
20代後半になると肌も衰えがちになり、シミやくすみといったことが気になる人も増えてきますので、コンシーラーを使ってしっかりとカバーするようにしましょう。
30代の着物メイク
30代の着物メイクは、大人の洗練された雰囲気が出るようなメイクになるのがポイントになります。
残念ながら30代になりますと、シミやくすみ、赤みなどが気になってくるという人も増えてきます。ベースメイクで肌トラブルをしっかりカバーするようにして、白く透き通るような肌を作り上げるようにしましょう。
選ぶ着物ですが大人の女性の気品をだすためにも、やや落ち着いた感じの柄や抑えめの色にしましょう。落ち着いた着物に合わせるメイクとしては、着物に使われている色を一つ選ぶようにしてアイシャドウなどでアクセントとして使うようにしましょう。
大人っぽくセクシーな感じにするコツとしては、目尻に多めのマスカラを塗るようにして、まつげはあまりカールをさせないようにすることで大人っぽく見せることができます。
40代の着物メイク
40代になりますと着物の色や柄も比較的控えめになり、落ち着いたイメージのものを選ぶようになります。そして、40代になってきますとシミやくすみが目立つようになりますので、念入りにベースメイクをするようにしましょう。ただし、厚塗りになってしまいますと不自然になりますので、少量で伸びやすいリキッドファンデーションを丁寧に伸ばして使いましょう。シミが濃い部分は、コンシーラーを重ねるようにして、なるべくナチュラルな仕上がりになるようにカバーしましょう。
おとなしめな雰囲気の着物を着た場合には、目元や口元に鮮やかな色を選びますと着物とは合わずに、顔だけ浮いてしまいます。ですので、リップやチークとしては、抑えめの赤やローズ系の色を入れることで自然な仕上がりになります。
着物メイクでは、アイラインをきちんと引くようにして目元をはっきりさせましょう。普段のメイクであまりアイライナーを使わない人は忘れがちになるかもしれませんが、着物メイクの時は必ず入れるようにしましょう。
50代の着物メイク
50代になりますと、大人の女性の魅力を引き出す柄や色合いの着物を着る人がほとんどになります。そして、その着物に合わせてメイクも落ち着いた色合いにすると、全体的に老けたイメージになってしまうので注意が必要になります。
50代の着物メイクは、10代の着物メイクとは逆に若々しく見せるというのがポイントになります。とはいえ若々しいとはいっても、ピンクやオレンジといった明るい色をたくさん使うのは、着物とのバランスが崩れてしまうので気をつけるようにしましょう。
ベースメイクとしてはきっちりと仕上げたほうがいいですが、結果、厚塗りになってしまうと化粧崩れが目立ってしまうのでほどほどにしておくのがポイントです。
アイシャドウを入れるときは、パープルやローズといったエレガントな色合いのものにするか、ブラウン系のものを選んで使うとよいでしょう。ナチュラルな仕上がりにするコツとしては、たっぷりつけるよりもブラシで軽く瞼にのせると上手くいきます。また、目元にパール入りのアイシャドウを使ってしまいますと、しわが強調されてしまいますので注意しましょう。
チークを入れるときは、血色の良さを見せるために色味が控えめなオレンジやブラウン系を選んで使うようにしましょう。
着物メイクのまとめ
着物に合うメイクは、立体的ではなく顔を平面的に見せるのがポイントになります。着物は色や柄が艶やかなものが多いので、立体的なメイクにしてしまいますと着物に合わず浮いた印象になってしまいます。
ベースメイクのポイントとして、化粧下地で赤みをカバーしてから、くすみやそばかす対策用にリキッドファンデーションを丁寧になじませて、コンシーラーを使ってシミを部分的にカバーするようにしましょう。最後にパウダーで仕上げて白く透き通るような肌にしましょう。
眉を描くときは、髪色に合わせて色でなだらかなアーチ型でやや太めにしましょう。
目元は、黒色のリキッドアイライナーを使って切れ長の目を目指してでしっかり描きましょう。アイシャドウは瞼にアイボリー系をのせるようにして、目の際にブラウン系を入れて引き締めるようにすると目元が美しく仕上がります。
ペンシルを使って唇の輪郭をやや内側から描くようにして、下唇をぷっくり見せましょう。チークを入れる場合は、控えめにつけるのポイントで、血色がよくなる程度にしましょう。
年齢によって選ぶ着物が変わりそれによって柄や色も違ってきますので、それぞれの年代に似合うメイクを知っておくことは、とても大切なことです。今後のためにも覚えておくと良いでしょう。