琉球紅型は琉球王朝文化から生まれた着物

琉球紅型

琉球紅型

琉球王朝文化から生まれた大胆な色彩とモチーフが特徴

沖縄は沢山の染織品があります。沖縄本島をはじめとして、小さな島々でも、読谷山花織や琉球絣、久米島紬、芭蕉布、宮古上布、八重山上布、与那国花織などが作られています。それらの色や柄や素材は、本島ではできず、沖縄だからこそ生まれたものになります。

数多くの魅力的な染織品の中から、唯一の染めである琉球紅型を紹介します。紅型なので色が紅色かと思えば、そんなこともなく、紫や緑、黄色といった色で染められており、藍色の藍型(えーがた)もあります。さらに、型紙を使って染めるだけではなく、筒描きの技法もあります。名前の意味としては、紅は色の総称になります。型は模様を差しています。この紅型を使うようになったのは、大正14年頃といわれています。

沖縄に王朝があった時代になりますが、紅型は、王家はもちろん身分の高い人の衣装として着られていました。それと同時に琉球舞踊の衣装でもありました。華やかさの中に気品があるのは、そうした歴史的背景が関係しているのかもしれません。

王家や身分の高い人ようの紅型でしたが、徐々に庶民も着られるようになりました。そして本島との交流が始まり、紅型の柄や色は、友禅染めや型染めの影響を受けつつ伝統的な技術を守り、独自の染物として沖縄らしく発展していきました。

型紙を手で彫り、糊防染をして模様を写し取る

沖縄の染織品としては、琉球紅型は唯一の後染めの着物になります。着物や帯の多くは、白生地に型紙を置き糊防染をして、その上から染料や顔料を使い染めていきます。1700年代からこの技法を使い今でも同じようにして作られています。

紅型の模様は、伝統的な模様はもちろんですが、魚や草花、鳥、貝、海藻など身近なものが用いられています。その模様が決まったら、型紙を作っていきます。図案を渋紙にのせて、小刀で彫っていきます。これを突き彫りと呼ばれています。

型紙ができましたら、型置になりますが、これは模様を写し取る作業になります。長い板に白生地を張りまして、そこに型紙をのせて、ヘラで糊を塗っていきます。そうやって柄を写し取っていきます。型紙をはがしますと糊のついていない模様の部分だけが白く浮かび上がります。

型彫り

模様を小刀で突き彫りして型紙を作ります。奉書紙に柿渋を塗って、そこに模様を描いた紙を重ねて、小刀で上から下へ突くようにして彫っていきます。模様は曲線が多く、小刀を小刻みに動かしながら彫っていきます。

型置

型紙に糊を塗り、生地に模様を写し取ります。模様をつけたいところに型紙を置いていきます。そのためには、あらかじめ模様の位置を決めておく必要があります。

筆を二本持って彩色をし、色をつけた後に専用の筆で輪郭を暈す

白生地に模様を写し取り伸子張りをしてからしっかりと生地を固定します。そこに、にじみ止めの液になる呉汁を塗っていきます。この作業を呉引きといいます。模様の形を分かりやすくさせるために、この汁を塗っていきます。呉汁は、大豆が原料になり、にじみ止めのほかに色止めにも使われます。

色挿しは、基本的に明るい色から始めていき、鮮度の低い色から暗い色へとつけていきます。紅型は色彩豊かでたくさんの色が使われていると思われていますが、基本色としましては、青や紫、緑、赤、黄、黒の6色が使われています。その6種類の顔料を混ぜることによって独自の色を作っています。着物や帯の地色を染めるときは、顔料の他に副木や車輪梅、藍といった天然の染料も使われています。

模様に色をつけてから、更にその部分に対して暈しを施していきます。これを隈取りといいます。専用の筆を使い、円を描くように動かしていく手法は、通常の暈しとは違います。この暈しが立体感を生み、紅型独特の味わいになります。そもそも紅型は刺繍を施さないので、色の組み合わせがとても大事になってきます。模様に対してただ色をつけただけになりますと、平坦な印象の着物になります。これを変えていくのが隈取りになり、模様に陰影ができてメリハリが生まれます。また、どこを隈取りするかで、模様の仕上がりが違ってきます。

色挿し

生地に色をつけるときは、明るい色から暗い色へ。色挿しの色は、青や赤、紫などの顔料を調合して用います。彩色用の筆で色を塗ったあと、摺り込み用の刷毛で生地に色を摺り込みます。

隈取り

模様の輪郭をなぞり、立体感を出します。隈取り用の筆は、若い女性の髪の毛と沖縄の竹で手作りをします。なぞった部分を隈取り用の筆で、円を描くように色を暈していきます。隈取りをするところは、花の輪郭や葉脈の部分で色と模様を引き立てる効果があります。

蒸すことで色を定着させ、それから丁寧に糊を洗い流す

隈取りを終えた生地に対して地染するときには、糊で模様を伏せてから、刷毛で地色を染めていきます。色止め液の中につけて地色が定着させ、そのあとに蒸していきます。蒸すことで、生地の裏まで色がついていき、鮮やかな紅型の色がしっかりと定着するのです。

蒸し箱から出た生地は、洗い場で糊を落としていきます。手で何度も生地をずらしながら丁寧に洗い余分な染料や付いている糊を落とします。そうすることで、はっきりとした色が現れてきます。

繊維の奥に入り込んだ糊を熱湯で完全に落とすことで、水元の作業が終わります。

糊を落として生地を1枚ずつ干して乾かします。長い時間をかけて、また、多くの人の手を経て、着物や帯が完成します。

蒸し

色をしっかりと定着させるために蒸気をあてます。木枠の中に着物や帯を下げて、そのまま蒸し箱に入れます。この工程で生地の裏にもしっかりと色が通りますので、今は欠かせないものになっています。

水元

生地に付着した糊や汚れを洗い流します。水槽で糊を水洗いするとはじめて紅型の色や柄が現れます。