着物の着付けに必要な小物を紹介します。
衿芯
衿の形を保つために、長襦袢の衿に入れる芯になります。木綿に糊をつけた三河芯は、自然と衣紋が抜けるので普段着におすすめになります。プラスチック製の衿芯は、しっかりと衣紋を抜くので、とくに礼装用の着物に用いられます。ただし、堅すぎるプラスチック製は、衿元が浮く原因になりますので、注意が必要です。柔らかくて小さいものを選ぶようにしましょう。
半衿
長襦袢の衿に縫い付けて、ファンデーションや皮脂汚れが着物につくのを防ぐ役割をもっています。袷には、塩瀬、絽緬素材を合わせます。単衣には楊柳や絽縮緬、夏には絽や麻素材を合わせます。礼装着物には、必ず白無地か、白地に刺繍の半衿を合わせます。
帯板
前帯にシワができないように、帯の間に入れる薄い板になります。両端にゴムがついたタイプは、帯が締まりすぎるのを防ぐ役目があります。基本的に季節で使い分ける必要はありませんが、ヘチマ素材やメッシュなどの通気性のよいものは、夏に使うと熱がこもらず着心地がよくなります。※帯板の裏側にある小さなポケットは、帯と着物の間にお財布などを入れていた昔の名残からつけられたものです。
帯枕
帯結びの形を支えるものになります。大きさや形が様々あります。帯結びを大きく作る留袖などの礼装用には大きな帯枕を使うとボリュームをだすことができます。逆に小さめにお太鼓を作るカジュアルな着物の帯結びには、小さなタイプの帯枕を使います。
腰紐・仮紐
着物を体に巻き付けて固定する紐になります。安価で丈夫なモスリン製が一般的になります。正絹素材は通気性に優れています。仮紐は、余分な端が邪魔にならないよう短めにした紐もあります。とくに腰紐は、裾が下がってこないようにしっかりと結びます。
伊達締め
胸元を押さえ、着物が着崩れるのを防ぐためにあります。通気性、締め心地ともに優れた正絹の博多織が一般的によく使われています。化繊やゴム製のものもありますが、あまり通気性がよくありません。ですので、胸元に汗がたまってしまうこともあります。
補正パッド・下着
普段の着物であれば、補正に神経質になる必要はありません。ですが、礼装の場合や胸が豊かな方、腰が内側にえぐれている方は補正をすることをおすすめします。補正をすることで、胸が帯の上にのってしまったり、帯に余計なシワが寄ることもありませんので、きれいな着付けになります。
コーリンベルト
両端にクリップがついたゴム製のベルトになります。着物の下前と上前それぞれの衿先を挟み、胸元を固定します。胸元を押さえませんので、楽に着付けすることができます。普段着の着付けにおすすめです。
クリップ
長襦袢と着物の衿を挟んでおいたり、帯がゆるまいように留めておくのに役立ちます。洗濯ばさみは、挟み跡がついてしまうので使わないことをおすすめします。